■NEW! 新作長編『ヨハネたちの冠』の連載が10月から始まります。掲載誌は「別冊文藝春秋」電子版。連載第1回は、電子版58号(2024年11月号)で10月18日(金)00:00 配信予定です。(「別冊文藝春秋」は通常、毎偶数月20日の隔月配信になります)
本作の主人公は首都近郊のスーパー教育特区に住む三人の小学生たち。そして物語は、梅雨だというのに一滴の雨も降らない乾いた六月、夏至の夜、三人の子供たちがそれぞれ別々の奇妙な出来事に遭遇する一幕から始まります。この柔らかな心を持つ個性的なアウトサイダーの子供たちの周りに登場するのが、夏至の夜、偶然出くわした少年に、自分に会ったことを覚えておいてほしいと懇願するや姿を消す謎の男、秘密を抱えて町に流れ着いたホームレス、敗戦時に国家権力の中枢にいた政治家を祖父に持つ現内閣府特命担当大臣、あらゆる事象に半端な知識を持つ男・通称トリプルなどなど…。多彩な人物が関わり、いくつかの事件が茨の蔓のように絡み合いつつ、事態は思いがけない方向に転がって――。連載終了まで、よろしくお願いします。
■6月26日発売の「ザ・ベストミステリーズ2024」(講談社)に、『夏を刈る』が収められています。昨年、「Jミステリー2023 FALL」に掲載した際は枚数の関係で削った部分を少し加筆しています。第77回日本推理作家協会賞短編部門にノミネートされた5つの作品がすべて読めるセレクションになっています。ぜひお手にとってみてください。アマゾンではこちらです。
■ 徳間書店の電子書籍「読楽」2024年5月号に、大藪賞受賞記念の読み切り短編「十月の子供たち」を寄稿しています。『未明の砦』とはまったく雰囲気も世界も異なる、七歳の子供たちのお話です。流星群の夜に彼らの家族が地下室で始めた「びっくりキャンプ」を発端とする、この小さな物語を書いているあいだ、ずっとひとつのことを思っていました。いま同じこの時を生きている、ひとりでも多くのみなさんに読んでいただきたい小説になりました。ぜひご一読ください。Amazonサイトはこちらです。
■『夏を刈る』(光文社文庫「Jミステリー2023 FALL」所収)が第77回日本推理作家協会賞短編部門の候補作に選ばれました。お手にとってくださったみなさま、応援してくださったみなさま、どうもありがとうございました。『夏を刈る』は、敗戦からようやく華々しい復興を迎えた時代、そこに生きた三人の女性たちのひと夏の物語です。未読の方は、この機会にぜひ。
■『未明の砦』が第26回大藪春彦賞をいただきました。松下隆一さんの『侠』と二作同時受賞です。新聞連載から書籍化まで支えてくださったみなさま、連載を追いかけてくださったり、本を手に取ったりしてくださったみなさま、ありがとうございました。
■デモクラシー・タイムスのインターネット配信番組『池田香代子の世界を変える100人の働き人』にゲストとしてお誘いいただき、ドイツ文学者・翻訳家の池田さんと対談しました。『未明の砦』、これまでの著作などについてお話ししています。配信は1月7日午後7時からで、以降はYouTubeでいつでも視聴できますので、ご興味のある方は、ぜひご覧ください。
☆番組のページは→こちらです。
■書評家の藤田香織さんが『未明の砦』のレビューをWEBマガジン・カドブンに書いてくださいました。
この機会に、『未明の砦』についての書評や取材などを以下にまとめました。よろしければ、ご一読、ご試聴ください。
・最新の藤田香織さんのレビューは→こちらです。
・東京新聞、青木千恵さんの書評は→こちらです。
・武田砂鉄さんのレビューは→こちらです。
・女性セブンのインタビュー記事は→こちらです。
『幻夏』の解説を書いてくださった佐久間文子さんが構成をしてくださいました。
・また、青木理さんの情報番組「JAM THE WORLD - UP CLOSE」にゲスト出演した回の配信は→こちらです。
執筆の背景や動機、執筆中の具体的な日々の過ごし方など、近年の仕事にかかわる様々なお話をしました。
■『彼らは世界にはなればなれに立っている』文庫に翻訳家・書評家の鴻巣友季子さんが書いてくださった解説が、webで読めるようになりました。ぜひ、ご一読ください。→こちらです。
■『彼らは世界にはなればなれに立っている』書評
朝日新聞・東京大学教授(教育社会学)の本田由紀さんによる書評は→こちらです。
産経新聞・書評家の関口苑生さんによる書評は→こちらです。
「カドブン」・翻訳家で法政大学社会学部教授の金原瑞人さんによる→こちらです。
■街角にクリスマスソングの流れる日、共謀罪による初めての容疑者が逮捕されようとしていた。動いたのは警視庁組織犯罪対策部。標的は、大手自動車メーカー〈ユシマ〉の若い非正規工員・矢上達也、脇隼人、秋山宏典、泉原順平。四人は完璧な監視下にあり、身柄確保は確実と思われた。ところが突如発生した火災の混乱に乗じて四人は逃亡する。誰かが彼らに警察の動きを伝えたのだ。所轄の刑事・薮下は、この逮捕劇には裏があると読んで独自に捜査を開始。一方、散り散りに逃亡した四人は、ひとつの場所を目指していた。千葉県の笛ヶ浜にある〈夏の家〉だ。そこで過ごした夏期休暇こそが、すべての発端だった――。
第一章 事件
第二章 発端の夏
第三章 追う者たち
第四章 Are you ready to kill?
第五章 反旗
第六章 力なき者たちの力
終 章 標的